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製品使用上の注意
合成皮革
1. 合成皮革の特徴
- 通常、合成皮革は空気中の湿気や太陽光、気温の影響を受け、科学的に劣化(加水分解)し剥離やべとつき等の傷みが徐々に発生し易くなります。
- 柔らかくしなやかさがあり、また寒暖による硬さの変化がありません。
- ポリカーボネイト系ポリウレタンを使用した合成皮革は劣化しにくい化学的特性を有しております。加水分解に対する耐性が高く長期間にわたって剥離強度が維持されべとつき等も長期間発生しません。
- 汚染、色移行の恐れがありますので、濃淡色の重ね合わせは避けてください。部分使い、切替に使用する場合には事前に汚染の有無を確認してください。
- 汚れた際は薄めた中性洗剤等で拭き取り、その後水を固く絞った布で拭き取ってください。
2. 原反保管
- 原反はメートル数に関わらず、折りたたまず芯巻きで保管してください。
- 高温、多湿を避け直射日光の当たる場所での保管は避けてください。
- イゲタ積み、重ね積み、タテ積みは避けてください。
3. 延反
- 延反後十分にリラクシング(放反)を行ってください。(24時間以上)
- 同一方向に延反、型入れを行ってください。
4. 裁断
裁断後の責任は承っておりませんのでご了承願います。
- 裁断の際にはキズ部分は必ず取り除いてください。補修は極めて困難です。
- 裁断は皮膜面と基布面を合わせて行ってください。
- 裁断機のナイフはよく研磨し、回転数を落としてください。
高速回転数による裁断は、摩擦熱圧力により生地が融着を起こす事があります。 - 油性のマーカーやボールペン等によるマーキングは避けてください。
- 裁断後は必ず同カラー、同ロット別に保管してください。色移行を起こす原因となります。
- 裁断後のパーツは折りたたまずに保管してください。
5. 縫製時の取扱いについて
ミシンは一般的に使用されております工業用ミシンで縫製可能です。但し、注意事項がございますのでお守りください。
- 生産ロットにより、色や風合いに違いがある場合があります。必ず、同一反内縫製をしてください。
- 押さえ金はテフロン加工されたアタッチメントやスライドリング押さえをご使用ください。
- 針板はテフロン加工されたものをご使用ください。
- 押さえ圧は標準よりやや弱めてください。
- 返し縫いは少なめにしてください。
- 生地の経と緯を縫い合わせる場合は伸縮性が異なりますので注意してください。
- 縫い直しをすると針穴が残りますので注意してください。
- ポケットの角等、生地に負荷のかかる部分には補強布を当ててください。
- 運針は3cm間で11~13針が最適ですが、素材の厚みにより若干異なります。
6. ミシン針
- 針の通りが良くない場合は、針先の細いS、KN、SF針、表面処理加工を施したSU、ASU、PSU針等をご使用ください。
- 出来るだけ細番手の針を使用し、針先の損傷、摩耗状態等に十分注意し、なるべく新しい針を使用してください。
- 基布にニットを使用している商品は地糸切れが発生しないよう縫製してください。
7. アイロン、型押し、芯地プレスなど
- スチームの使用は生地表面の変化、収縮の恐れがありますので避けてください。
- アイロンをかける必要がある場合は,裏側よりあて布をして110℃以下でかけてください。
- 皮膜面に凹凸のある不織布などを引いて型押し、プレスすると表面崩れが少なくなります。
- 接着芯地は低温タイプをご使用ください。
- 事前に芯地選定、プレス条件設定を確認してください。
8. 製品保管
- 光、湿気、熱などに弱いので、除湿剤を使用し、乾燥状態を保ち、時々風通しをしてください。
- 衣料の仕上がり製品は折りたたまず、ハンガー吊りにして保管してください。
- 仕上がり製品は必ず包装紙に入った状態で保管してください。
- 色移行を起こす原因となりますので、製品同士の皮膜面を接触させないようご注意ください。
9. 包装
- 包装は、ポリプロピレンかポリエチレン製を使用してください。(塩化ビニールのご使用は絶対にお避けください)
フェイクファー
- シープ調のエコファーはポリエステルの細い糸を絡ませて丸い形状にしております。強い摩擦はピリングや毛寄れの原因となります。
- エコファーの裁ち端は毛並みがほつれやすく、他へ付着する場合があります。ホツレ防止のため、裁断後は早い段階で端始末を行ってください。
終わりに
ここで記載した事項は一般的な取扱い事項であり、生地の品番、商品アイテム、デザイン、縫製工場の設備、作業者の技術により変わるのが普通です。
生産に当たっては事前に確認、検討の上、本番に入られるようお願いします。
用途により必要とされる物性データは異なります。事前にご確認の上ご使用ください。