当社事業のアピールポイントに関するご紹介
1. 安心安全な品質の商品を供給する「品質安定のフィルター」の役割
当社は、創業以来30年以上にわたり合成皮革を専門に扱っております。合成皮革は、時間経過により劣化する、品質が安定しにくいなど、わかりにくい特徴を持つ特殊な素材です。
また、合成皮革に関する生地不良については、素材の調達時点で確認し難く、時間経過後に劣化や色移行などの不良が顕在化するという、トラブルが事後的に発生する点が特徴的です。
合成皮革を専門に扱ってきたノウハウを活かし、合成皮革を扱うにあたって重視するべき要素に事前に着眼して、トラブルの発生しない最適な合成皮革のご提案、供給をいたします。
エコファーについても、毛羽部分の抜け落ちや、金属片の混入など事後的に生地不良が顕在化するケースがみられる商材です。当社では、販売する全ての生地を金属探知機によって検査を行い、金属片混入の未然防止に取り組んでいます。
また当社では、合成皮革とエコファーの両方についてエコテックス・スタンタード100(※1)の認証取得に取り組んでいます。
合成皮革やエコファーを海外で調達した場合にしばしば起こる問題として「試作時と本生産で品質が異なる」ということが挙げられます。
PLANETA®の商品は、定番商品として継続的に販売しておりますので、本生産時も試作時と変わらない、常に安定した品質を確保して素材を調達していただくことが可能です。
お客様が合成皮革・エコファーを調達されるにあたり、トラブルの起こらない安心安全な品質の合成皮革を安定して供給する、「品質安定のフィルター」の役割を果たすことができると考えております。
※1 エコテックス・スタンダード100
繊維製品に含まれている潜在的な有害物質(残留農薬、ホルマリン、鉛、発がん性物質など約300種)を規制値以上に含まないことを認証する、世界的な認証システム。
2. 小ロットから大ロットまで流通に適化した販売・価格体制
当社商品は全て在庫販売をしており、カット出荷も可能であるため、生産ミニマム数量を必要とせず、必要な数量だけを調達していただくことが可能です。
一方で、1回の出荷での1色あたりの出荷数量に応じて数量割引単価を適用させていただき、大ロットでの出荷に合った最適な単価をご提示させていただきます。
この在庫販売と数量割引単価の販売体制を通じて、小ロットのご注文についても、大ロットのご注文についても、必要なだけの数量を最適なコスト、安定した品質で供給する役割を果たします。
3. 規制対応及び安全への配慮
当社の商品は全てRoHS2指令の規制に対応しております。また、ノンホルマリン(アセチルアセトン法(一般用)20μg/g以下)です。
合成皮革とエコファーの両方についてエコテックス・スタンダード100認証の取得に取り組んでいます。
合成皮革・エコファーの品質向上についての当社の主な取り組みのご紹介
1. 合成皮革の劣化に対する取り組み
合成皮革は、時間が経過することにより劣化し、表面の剥離やべとつきなどが発生しやすくなります。これは、合成皮革に使用されているポリウレタン樹脂が、空気中の水分や太陽光、温度などの影響を受け加水分解(水によるポリウレタン高分子の分解)が発生することが主な原因です。
「ポリウレタン樹脂」と一言で表現されますが種類は多種多様です。当社では、継続的にポリウレタン樹脂の劣化に対する耐久性を改善し続けており、2021年現在、当社で使用しているポリウレタン樹脂は主に以下の2通りがございます。
(1)「高耐久樹脂」表示のある品番
自動車の座席用として使用される場合の耐久テスト(試験条件;121℃、湿度100%、48時間)の基準をクリアする製品であり、合成皮革の特性である時間経過による劣化(剥がれ、べとつきなど)への耐性が極めて高い製品です。
衣料用途はもちろん、スポーツ・アウトドア用品やインテリア用品など耐久性を求められる用途に適した素材です。
なお、時間経過による劣化(加水分解)への耐性は大変高いですが、引き裂き強度などの物理的な性能については、それぞれの用途に合わせてご確認の上ご使用をお願いいたします。
(2)「高耐久樹脂」表示のない品番
「高耐久樹脂」表示のない品番の大部分の当社製品に使用しているポリウレタン樹脂のジャングル試験(※2)結果は以下の通りです。
※2 ジャングル試験
高温、高湿度の環境で生地を放置して負荷をかけることにより、時間経過による生地の変化を測定する試験。
[ 当社製品の生産に主に使用しているポリウレタン樹脂のジャングル試験結果 ]
試験項目 | 試験結果 | 試験方法 | ||
---|---|---|---|---|
たて | よこ | |||
剥離強さ(cN) | 原布 | 2345 | 2686 | JIS L 1086 引張速度:10cm/min 試験片幅:2.5cm 接着テープ使用 |
6週間後 | 2862 | 2371 |
ジャングル処理:高温高湿下に放置 処理温湿度:70℃・95%RH
注)この値は実測値であり、荷口全体の品質を保障するものではありません。
2. 合成皮革の色移行による製品の汚染に対する取り組み
合成皮革の生産において染色剤を使用する箇所は主に2箇所です。1つは「表面の革模様部分を着色するために使用する顔料」、もう1つは「合成皮革の裏地となる生地(基布)を着色するために用いる染料」です。
色移行による汚染の多くは後者に起因します。特にポリエステル等が基布に使用されており、分散染料による着色が行われている場合に発生しやすくなります。
これは合成皮革の製造工程で溶剤として用いられるDMF(ジメチルホルムアミド)が、合成皮革の表面にわずかに残留し、このDMFの作用によりポリエステル繊維に染着した分散染料が繊維を離れて浮遊し、堅牢度が低下するためと考えられます。
当社では、ポリエステル繊維を染色する場合に、染料濃度をできるだけ低くする取り組みなどを行っております。これにより、堅牢度を高める効果がありますが、染料の移行を完全に無くすことはできませんので、濃淡色の組み合わせでの使用は避けていただけますようお願いいたします。
3. エコファーの毛羽の抜け落ちや毛羽の付着に対する取り組み
エコファーは製造方法や生地の構造により、パイル保持率(毛羽の抜け落ちない程度)が異なります。
当社では、全てのエコファー商品について、企画時点でパイル保持率試験と毛羽付着試験を行い、販売しております。
4. エコファーにおける金属片の混入に対する取り組み
エコファーの毛羽部分を製造する際に、金属製のブラシによる起毛を行う場合があります。
ブラシのメンテナンスが不十分で、ブラシが老朽化しているのに交換が行われないなどの場合に、折れたブラシの歯が混入するケースがあります。
当社では、十分なブラシのメンテナンスは当然のこと、生産した全てのロットのエコファー生地を金属探知機によって検査を行い、金属片混入の未然防止に取り組んでいます。